Aスイスの旅
1994年8月ヨーロッパ四か国めぐりロマンチック街道の旅
フランス・スイス・オーストリア・ドイツ をめぐりましたぁ!


白雀オフラインツアー Aスイスの旅

1994年8月のことでおます。
◆白雀のスイス物語のはじまりでおます。

(1) 山また山のスイスにやってきましたぁ!

スイスの・チューリッヒ空港に到着しましたぁ!
でっかい空港やったがぁ、はぐれることなくバスに乗り込みましたぁ。
あれっ 旅行社、バスガイド代金をけちったんかいなぁ?
本日の予定をしゃべってるん日本からの添乗員はんやってん!
座席のいっちゃん前の座席でな。見晴らしの良い特等席でやぁ!
この特等席は、事故あっても保険の対象外の席なんやてぇ!
ほんでぇ、お客はんを乗せないシートやそうな。

・走るバスの行く手にゃ、見事な高い山ばっかしでしてん。
ほんまぁ、緑の森だらけやん。
見とれているうちに、一番目の観光地につきましたぁ!

・カペラ橋でおます!
中世の面影を残す、城壁で囲まれたルツェルンの街!
森と湖のある街でおましたぁ。
街の中心部にロイス川がおましてん。
この街のシンボルといえば、ルツェルン湖に流れこんでるロイス川、
その河口近くにかかってるカペル橋でおますぅ!
1333年に造られた、ヨーロッパで最古の木造屋根付き橋でおます。
ちょっとだけ歩いたんや、200mほどの橋やったかなぁ?
建造の目的は、川を渡るだけじゃなく、湖から襲撃してくる外敵の防御でおました。
そうかいなぁ、まさしく砦やん。見張り台兼牢屋もあるという。
ふうん 山岳民族ならではの戦略やなぁ!
この橋を有名観光地にしていたものが、屋根の梁に描かれた100点ほどの絵でおましたぁ!
そこには、スイスの歴史や街の守護聖人の生涯が描かれていたそうでしてん。
ナビチャン、歩きもって流し見してましてん。
おいら、森と湖の景色のほうが、むっちゃよかってん。
なんでや?古いってぇ?それにしちゃぁ、まっさらな新橋やんかぁ!!
へぇ 去年1993年に、火事あってんかぁ?
すごいんやぁ!復元工事、早いもんやったんやぁ!
おいら、それよりも感動しましてん。
青空と緑の森と湖が、みごとな一枚の絵でしてんや!
感動しましてんや!
思い出してん、♪おおプレネリ をなぁ!

*写真: カペラ橋/ヨーロッパ最古の木造橋
屋根つきの木造橋。ここから、舟でくる敵を弓矢でやっつけてんかぁ!



(2) 登山客の街、インターラーケンにきましたぁ!

変わらん森の風景の中をバスは、たんたんと走り続けたぁ!
叩き起こされて、到着したことがわかったぁ。いつの間にか居眠りしてましてん!
インターラーケンやぁ!
へぇ なんと、周りは高い山の中という街やってん。
アルプスの山をめざしてやってくる登山客を迎える街なんやってぇ。

・アルプスから流れこむ水が溜まった。二つの湖の間にある街!
標高500mほどのスイスの中央高地でしたぁ。
ここから、登山客が4000m級の山々をめざしますんや。
乗り換えて、登山列車の出発点ですんや。
ほんでぇ、道路も鉄道も、ここに集まってきてますんやな!
そのわりにゃ、あっさりした簡素な駅やん。
みなはん、この街で泊まって、朝早く出かけますんや。
そんなんで、賑わう、5000人ほどのインターラーケンの街やぁ。

*写真: 雪山 ユングフラウヨッホ!
真ん中がユングフラウ山、左がアイガー山、右がマッターホルン山でおますぅ!



・おいらたちが目指す山も見えてましてんや!
添乗員はんの説明なしじゃ、どれかわからんがぁ?
山にゃ、名札ついてへんでぇ?
ユングフラウヨッホでしてんや。
ユングフラウ山の頂上ということでんな。
ヨッホってぇ!
日本語でぇ、峰というたほうが分かりやすいわぁ。
山言葉じゃ、頂上をピークちゅうんやてぇ。
ヨーロッパじゃ、特段有名な観光の山でしてん。
アルプスの観光登山じゃ、ユングフラウヨッホで通ってますんや!
ハイヒールでもOKですよ!なんて宣伝やん!
左がアイガー山で右がマッターホルン山かなぁ?
こっちゃは、観るだけの山でおましたぁ!
この登山鉄道で、ユングフラウヨッホの山上の終点まで、二時間とはかからんそうやったぁ。
いくつかの鉄道会社が、駅でつながってるんやがぁ?
平らなとこ、ちょっとの坂道、きゅな上り坂、鉄道会社がちゃいまんにゃ。
1994年にゃ、直通列車じゃおまへんでしてん。
何度も乗り換えて、登山しますんや。
8月は、毎日5000人もが観光登山するんやそうな?


(3) 山の街を見物しましてんや!

・スイスの国にきてんやがぁ、街はインターラーケンだけで帰りますんやってぇ!
大都市ジュネーブにもチューリッヒにも、行きまへんにゃ。
ディナーでチーズフォンデュ、嫌々食べましたぁ。
チーズがぁ、大嫌いなおいらでしてん。
気分なおしに、街探検でおましたぁ!
おいら、せっかく時計で有名なスイスにきてんや?
自慢できる腕時計を欲しい思うてましてん!
ホテルじゃ、レートが高いんで街の交換所でなぁ。
スイスフランに換えましてん。
掲示板にある数字は、全くわかりまへん。
どの国もそうでしてん。
日本みたいに、1ドル=91円なんて書いてまへんにゃ。
いろんな国の通貨も、1.215とか書いてますんや。
分からんでなぁ、一万円を渡すと、??スイスフランをくれますんや。
ほんまにぃ、これでええんかいなぁ?

しゃぁおへん、インターラーケンの夜の街にでましたぁ!
登山旅行の人ら相手の街やん。
宿泊だけやのうていろんな店おましたぁ。
ほやが、殆ど店が閉まってましてん!
そうやってん、ヨーロッパの店舗は、夕方5時になりゃ閉店でしてん。
ほんでも、宿泊客を相手の店、夜も開いてる店おますやろって?
開いてる店ちらほらでしたがぁ、
あっちゃこっちゃ探して時計屋!
ネジ巻や電池のタイプなんかがおましてん。
へぇ こんなぁ高いんかぁ??
スイスフランでも日本円でもOKという。
ほやが、コインは切り捨てやったぁ。
あんまし高額なんでぇ、ぼったくりかいな?
恐れをなして、おいら腕時計あきらめましてんや!

・それにしても、歩く人が少ない静かな街やん。
みんな朝が早いんで、もう寝てるちゅうことかいなぁ?
おいら、バスの中でグーグーねてばっかしやってんで、
眠気でてきまへんでしてんや!
テレビつけても、スイスドイツ語じゃ、さっぱりでしてん。
しゃぁおへん、無理に眠ることにしましたぁ!
朝ヨーロッパじゃ、ケーブルテレビで日本の放送あったと知りましたぁ!


(4) いよいよ アルプスの観光登山でおましたぁ!

・朝早くて、爽快な目覚めでおましてん。
8月でも、なんちゅう涼しさやねん。
ううぅん きょうも早朝の出発ですんかいなぁ。
あれぇ 列車に乗るんやないんかぁ?
玄関に出てきたら、みんなバスに乗ってましたぁ!
平坦地の端っこの駅まで、バスで行くんやってぇ!
山から降りてきたら、そのままドイツまで走るんやそうな?
スイスドイツ語を話す人が、今朝の運転手でおましたぁ。へぇ超お爺はんやぁ!
年齢不問や、元気なら雇用あるという。スイス!
添乗員はん、山登りの注意事項をしゃべってましたぁ。走るバスでぇ!
ぎょうさんの気つけること話してた気する。
ちゃんと分かってた気しますわぁ。
なんせ、まだまだ若い年齢やってんでぇ。
思いのほか、バスは早く到着したぁ。
広い駐車場で停車したぁ。車だらけでしてんや!
そのわりにちっちゃい駅やったと思う。

・グリンベルワルト駅でしてん。乗り換え駅!
三方向に、路線があるみたいやったぁ!
6両ほどの列車やったと記憶してる。
蒸気機関車やなかった。
ジーゼル機関車が、前にあったぁ気するなぁ。
*写真: グリンベルワルトの村
テレビのアルプスの少女ハイジの世界やぁ!



・だんだん上の方に登って行きましたぁ。
周りは、草原で、短い草ばっかしやったぁ。
色の濃い鮮やかな花がありましたぁ。なんかわからんがぁ?
その草原で、ぎょうさんの牛がのんびりと草を喰ってましてん。
牛のつけてるカウベルが、カランカランと聞こえるんですわぁ。
まぁ 静かな牧場でおますわぁ!
ポツポツと家があり、
アルプスの少女ハイジの世界でしたぁ!
そんなんがわかるほどのスピードでしてん。列車!

*歌声「♪おお 牧場はみどり」が聞こえてくるみたいや?
・スタート


・登山列車は、登っていきましたぁ!さらに、登っていきましたぁ!
森林限界線を過ぎて、植物限界線も超えて、岩山に上ってきましたぁ。
緯度は、北海道札幌あたりの北緯43度かなぁ?
4000m級の山々が、いくつか見えました。
どれも上のほうは、雪山でしてん。8月やがぁ!


(5) どっちゃの窓を向いても、雪山ばっかしやぁ!

・そういやぁ、もう一回乗り換え駅おましたぁ。
クライネシャイデック駅でしてん。
この列車は、三両ほどやったぁ。
後ろにも機関車があったみたいやん。
この駅からが本格的な坂道でしてん。
急な坂を滑らんように、それに雪降るもんなぁ!
引っぱってるん、そんな特別な電気機関車でしてんや!

※説明:ラック式鉄道(歯軌条鉄道)
2本のレールの中央に、歯軌条、ラックレールを敷設。
車両の床下の歯車(ピニオン)とかみ合わせることで急勾配を登り下りする鉄道。


・アイガーの山に穴をあけた、トンネルの坂道を上ります。
スイスの軍隊じゃ、戦争の時に、トンネルを作り吊橋をつくり、移動したという。
山岳の軍隊は、神出鬼没の戦い方やってんやぁ!
それが、今じゃ観光利用でおますんやそうな?
トンネルの中で、二回も駅に止まりましたぁ。
休憩とか、でっかい切り取った窓から雪山を見物しましてん。
たぶん、観光客が高山病にならないようにしてましたんやろな!
ゆっくりゆっくり登っていく列車も、その高山病対策やったんやなぁ!
標高3454mにあるユングラウヨッホ山上駅、到着でおます。
あたりにゃ、高山病にかかってる人、あれへんかったぁと思う。
1994年8月のことでおます。
*写真: ユングフラウヨッホ駅
山上駅いうても、トンネルの中におましてんや。このほうがええわぁ
!



(5) いよいよ ユングフラウヨッホにきましたぁ!

・ユングフラウヨッホにゃ、山上の郵便局がおましたぁ!
そうや、添乗員はん 何べんもいうてたなぁ?
ユングフラウヨッホ観光記念に、絵ハガキを投函することをなぁ!
事前にハガキと切手の用意をちゃんとなぁって!
おいらんち、のんびりと 山上の売店で買うつもりでしてんや。
まるで無理やってん、お客はんがぎょうさんでぇ?
赤いポストがおましたぁ。日本でも見かけへん丸いポストがぁ!
隣のスイスのポストは黄色でしたがぁ。
日本のぎょうさんの旅行者が、赤いポストに投函してましたなぁ!
赤いポスト、早よう日本に着く思うてんかなぁ!
まぁ 国別に仕分けする時間は、節約でけますやろな!

*写真: ユングフラウヨッホの日本の丸い赤のポスト
日本の赤いポスト。やっぱり親しみぶかいもんやわぁ!より信用おますんかなぁ?



・ユングフラウ駅は、トンネルの中でしてん。暖房でぬくいもんやったぁ。
ここの山上での滞在時間の短いことをわすれてましてん。
ナビチャン売店を見てる間に、おいらのツアーがぁ?
周りに、列車待ちの日本人客がぎょうさんやってんでぇ。
もしかして、高山病でぼけてたんかなぁ?

急いで、旅行社の旗を追いかけてんやぁ!
日本の旅行社の旗、むっちゃ多いんでぇ?
狭いトンネル歩きましてん。あたふたと!
けっこうな旅行者が歩いてるんで、追いこせまへん。
どんどん、歩いてもあきまへんでしてん。

周りにゃ、おんなじツアーバッジ4人いてましたぁ。
はぐれ組でしてんや!
「このまま行ったら、展望台に出るわぁ!」
「あかん、間違えたんやぁ。引き返えそうや!」
「そういやぁ すぐにある階段を上るって、いうてたわぁ!」
衆議一決でぇ、急いで戻りましたぁ!

でっかい声が降ってきた。階段の上からぁ!
「いつも、ここで2 3人は、はぐれるんやわぁ!」
なんて、添乗員はんに笑われましてん。
オチコボレでおましたぁ!

・階段を上がったら、すぐに雪の広場にでましたぁ。雪原やぁ!
そこは、雪がいっぱいの広場でしてん。
雪遊びしてる観光客、ぎょうさんいてましてん!
周りは、高い雪山ばっかしでなぁ!
説明を聞いてアイガー・メンチ・ユングフラウと知りましてん。
ユングフラウヨッホの4015mの峰がありましてん。
遅れてきたんで、出入口にいる人々?
その集団を抜けて、外の新しい雪原へ!

*写真: 目前に雪山が三山
4000m級の雪山。左から、アイガー・メンチ・ユングラウヨッホでおます。



・雪の広場は、5℃ほどで寒いもんやったぁ。
セーターを着込んでたんやがぁ。長居は無用や!
雪を触ったり歩き回ったり、ちょっとだけなぁ?
溶けてふにゃふにゃしてる雪やない、水分が抜けてパサパサでもない。
普通の感触の雪やったぁ、8月やのになぁ?
足跡おまへんにゃ!
最近、雪が降ったということかいなぁ??
北半球じゃ、8月1日の前後一週間が、いっちゃん安定した天気やというもんな。
もうはずれてまっさ。きょう ええ天気でよかったぁ!

その時、でっかい女性の声が飛んできましてん!
「そこから先は坂、滑るから戻ってきてくださぁい!」
と聞きなれた添乗員はんの声!
ああ 足跡が無いんは、危険区域でしてんや!!
個人主義の西洋やん。
リスク管理も個人でするんやってぇ!
危険の立札とか安全柵なんかおまへんかったぁ?

・そうかぁ、周りの雪山の雪は、こおりついいてるんやなぁ!
大昔は、海の中やってんやそうな?
石灰岩やが、マグネシュウムを多分に含んでるという。
つまり 固く固くかたまった岩山やそうな?
山肌もなぁ、全体がかたいんやってぇ!
ほんでか、クギを撃ち込んでロープかけても安全に登れるんや?
日本の壊れやすい岩、花崗岩なんかやったら怖いやろな?
それでも登る垂直の山壁かいなぁ!
アイガー北壁の登山、むっちゃ有名なことやなぁ!
死亡者あっても、アタックする人が次々とやってくるアイガーやん。

10年ほど前に洋画でアイガー北壁の登山のようすの映画を日本でもやってたなぁ。
4000mの山の垂直の壁やんな。
どのくらい登るんかいな?
そういやぁ 若い頃、日本の氷壁という映画をみましたなぁ。
映画館で見た記憶おます。
確か、井上 靖 の作品やったぁ。
日本の冬山やがぁ。そこに山があるから、登る!

・おいらんち、皆とはぐれてんでぇ!
雪の上にいた時間は、短いもんやってん。
ええ もう帰るんかいなぁ?
もうちょっと、雪原の端まで行ってみたかったわぁ!
ツアー仲間は、雪を触ったしハガキも赤いポストに入れたし、満足してたぁ。
日本の富士山にもスイスの黄色いポストがあるんやってぇ!
そうでんにゃ、 姉妹都市を結んでるんやってぇ!

・そうなんや、帰りも団体列車なんで、時刻が指定やってんや。
添乗員はん、時間ばっかし気にしてたもんなぁ。
みんな、あんまし売店にはりついてられへんかったみたい?
ここのお土産物、気になるかもなぁ?
下山列車で、バスの駐車してる駅まで戻ってきたはずやがぁ?
殆ど記憶おまへんにゃ。
微かにあるんは、草原の放牧の牛たちのつけてるカウベルの音かなぁ。
この後、バスに戻ったんやがぁ、記憶ありまへん。
たぶん 山ばっかしなんでぇ?
壮大なアルプスの印象だけでおましたぁ。記憶わぁ!
チューリッヒ空港へ戻って、次の国オーストリアへ行きましたぁ!
おいら、もともと田舎育ちなもんでぇ。
山の景色にゃ、それほど感動おまへん。
ほやがぁ、スイスの山の壮大さにゃ、脱帽でおましたわぁ!  by 白雀 (2021.03.22.記)